ヨル役:諏訪部順一さんに本作のシナリオを読んだ際の感想や、主題歌を担当したAimerさんの魅力についてなど、お話を伺いました。
――「夜の国」のシナリオを読まれた際のご感想を教えていただけますか?また、印象に残っているセリフ等ございましたら教えてください。
どのエピソードも心あたたまる優しい物語だと思いました。きっと共感を覚える方も多いのではないでしょうか。旅立った愛犬への思いが描かれた第1夜は、恥ずかしながらめちゃめちゃ泣けました。
――「ヨル」という謎多きキャラクターを演じられる上で意識されたことはありますか?
教えたり、導いたりするような存在ではなく、あくまでも「寄り添う」というのがヨルのスタンス。ついつい優しく声をかけたくなりますが、踏み込み過ぎないようにそっと心にブレーキをかけながら演じました。
――Aimerさんの主題歌(「トリル」「グレースノート」)も話題となりましが、楽曲を聴かれた際のご感想を教えていただけますか?
自分が関わった中でAimerさんが主題歌を担当されたアニメ作品というと、やはり「Fate/stay night」シリーズがまず思い浮かぶのですが、それらと同様に、どちらも「夜の国」の物語にしっかりと寄り添い、情感を高める素晴らしい楽曲だと思いました。深く心に染み入るような。
――昨年諏訪部さんが出演された音楽朗読劇「ALCHEMIST RENATUS~Homunculus~」では、主題歌を手掛けられたAimerさんも出演されました。Aimerさんの楽曲をリクエストされたのは諏訪部さんとお伺いしましたが、諏訪部さんが思うAimerさんの魅力を教えていただけますか?
Aimerさんの歌声は、相反する要素を兼ね備えているという印象を個人的に持っています。静であり動、無機であり有機、客観であり主観、ドライでありウェット、みたいな。そういう複雑さを持ちながらも、ストレートに情緒に訴えかけてくるものがあるんですよね。そして、どのようなテイストの楽曲でも明確に個性が感じられる。音楽の中に「世界」があるのが素敵です。
――諏訪部さんが「夜の国」を通じて視聴者の皆さんに届けたい想いとはどのようなものでしょうか?
生きていくなか、誰しも足を止めてしまいたくなる時があると思います。そういう時は周りが見えなくなって、深い孤独を感じてしまうことも。しかし、視点を変えたり、これまでを改めて振り返ったり、冷静に周りの声に耳をかたむけたりすることで、ふたたび歩き出すきっかけが得られるかもしれません。心に寄り添い、ほんのちょっとだけ背中を押す……そういう一助にこの作品がなったのなら幸いです。
――最後に、第3夜の公開を楽しみにしているファンの皆さまへのメッセージをお願いいたします。
素敵な音楽と素敵なアニメーションのコラボレーションでお届けしている本シ
リーズ。
ひと息ついた、つきたい時間に、ぜひホッと出来るお飲み物などと一緒にご鑑賞
ください。
第3夜も心穏やかになるエピソードです。どうぞよろしくお願いします。
fin